今回、シェムリアップ滞在の拠点に選んだのは、全室スイート仕様の贅沢なブティックホテル『Nita by Vo Luxury Hotel(ニタ バイ ヴォ ラグジュアリー ホテル)』。
アンコール遺跡への抜群のアクセスを誇りながら、一歩足を踏み入れると街の喧騒を忘れさせてくれる静寂が待っていました。今回は、実際に宿泊して感じたお部屋のクオリティから、旅の疲れを癒やす極上のホスピタリティまで、その魅力を詳しくレポートします。

立地とアクセス

気になる「Nita by Vo Luxury Hotel」へのアクセスですが、2023年に開港した新しい空の玄関口、シェムリアップ・アンコール国際空港(SAI)からは、車に揺られて1時間強といったところに位置しています。
ホテルのロケーションを一言で表すなら、「遺跡巡りに最適な静寂の特等席」です。アンコールワットをはじめとする主要な遺跡群のちょうど南側に位置しており、朝一番の観光にもスムーズに出発できる絶好のポジションにあります。
一方で、観光客で賑わう中心地のパブストリートからは、トゥクトゥクで20分ほど離れた場所にあります。
フロント

エントランスは過度な装飾で飾り立てるのではなく、洗練されたモダンなデザインの中にカンボジアらしい温かみのある素材が融合しており、心地よい雰囲気です。
客室
客室自体は結構広く大きなスーツケースを広げたままでも全く圧迫感を感じさせない開放感があります。

また、Wi-Fiの通信環境ですが、こちらも終始安定しており、非常にスムーズ。動画の視聴はもちろん、ちょっとしたPC作業やSNSへの写真アップロードもストレスフリーで、海外のブティックホテルにありがちな「ネットの遅さによるイライラ」とは無縁の、極めて快適なデジタル環境が整っていました。
洗面所

客室全体の清潔感やデザインが非常に優れているだけに、一点だけ惜しいと感じたのが「洗面所」の環境です。
お部屋の隅々まで非常に綺麗に保たれており、視覚的な満足度は極めて高かったのですが、水回りに関しては、下水の匂いが立ち上がってくるのが気になりました。これは東南アジアのホテル、特に歴史あるエリアのブティックホテルでは構造上やむを得ない面もありますが、お部屋のクオリティが非常に高いだけに、少しだけ気掛かりなポイントとなってしまいました。
ただ、決して滞在を台無しにするような強烈なものではなく、扉を閉めておけば居住空間までは干渉してきません。
水回りについてもう一点、実際に利用してみて気になったのが、シャワーブースの排水状況です。
シャワーを浴びていると排水がされず、足元にお湯が溜まってしまいました。そのまま時間が経っても排水がされずにトイレの側まで水がある状態だったため少しばかり不便さを感じるポイントでした。

バスルームでひときわ存在感を放っていたのが、設置されていたバスタブです。
最近のホテルでよく見かける一般的なシステムバスや既製品の浴槽とは一線を画す、非常にユニークで独特な佇まいが印象的でした。そのホテルのコンセプトを体現したようなこだわりのデザインのようです。

最初は「本当にお湯が出るだろうか……」と少しばかり不安を感じていたのですが、いざ蛇口を捻ってみると、しっかりと温かいお湯が勢いよく出てきました。
ただ、ここで一つだけ誤算がありました。あの「独特で大きなバスタブ」を満たすには、相当な忍耐が必要だということです。お湯を出し続けて30分ほど経過したところで様子を見に行ってみたのですが、まだ底から半分にも満たないほど。広々としたバスタブであるがゆえに、並大抵の時間では肩まで浸かれるほど溜まってはくれません。もしゆっくりとお湯に浸かりたいのであれば、夕食に出かける前や、就寝のかなり前から余裕を持って準備を始めておくのが、このホテルで優雅なバスタイムを楽しむための「攻略法」と言えそうです。
プール
このホテルの大きな魅力のひとつが、屋上に設置されたルーフトッププールです。

一年中気温が高いカンボジアにおいて、日中の遺跡巡りは想像以上に体力を消耗します。そんな火照った体をクールダウンさせるのに、このプールはまさに最高のスポットと言えるでしょう。
まとめ
今回宿泊した『Nita by Vo Luxury Hotel』を総評すると、「細かなインフラ面に目をつむれば、これ以上ないほどコスパに優れた贅沢な隠れ家」と言えます。
客室の広さや洗練されたデザイン、そして安定したWi-Fi環境は、この価格帯のホテルとしては期待以上のクオリティでした。一方で、洗面所の匂いや排水の弱さといった水回りの課題は、東南アジアのブティックホテルならではのリアルな側面として、あらかじめ理解しておく必要がありそうです。
このホテルを押せるポイントとしては、その圧倒的な立地の良さと価格にあります。
- 遺跡巡り派には最高の立地: アンコール遺跡群のすぐ南側というポジションは、早朝のサンライズ鑑賞や、午前中の涼しい時間帯に観光を済ませたい方にとって、これ以上ない大きなアドバンテージになります。
- 驚異のコストパフォーマンス: 今回、2名1室(素泊まり)で2泊して合計約14,000円。1人1泊あたり約3,500円という、日本では考えられないほどの安さでスイート仕様の部屋に泊まれるのは、まさにシェムリアップ滞在の醍醐味です。
「多少の水回りの不便さは旅のスパイスとして許容できる」「とにかく安く、でもお洒落で広い部屋に泊まりたい」「朝一番でアンコールワットに乗り込みたい」――。そんなアクティブ派の旅行者にとって、ここ『Nita by Vo Luxury Hotel』は、旅の満足度を賢く最大化してくれる、最高の選択肢になるはずです。

