前日に比叡山、貴船神社、チームラボと満喫した次の日は天橋立に向かいました。
京都から天橋立へ向かう
京都駅を出発し、日本三景の一つ「天橋立」へと向かいます。 広大な京都駅のホームで待っていたのは、今回予約しておいたJR特急「はしだて」。深いグリーンの車体がホームに滑り込んでくると、いよいよ旅が始まるのだと実感が湧いてきます。

切符を握りしめて指定の座席に乗り込むと、車内は落ち着いた雰囲気で、長旅への期待を優しく包み込んでくれるかのよう。車窓から流れる京都の街並みを眺めながら、日本海側へと続くゆったりとした列車の旅を楽しみたいと思います。

電車内の様子。ゆったりくつろげそうです。

車内での楽しみといえば、やっぱり駅弁ですよね。今回は乗車前に、京都駅直結のジェイアール京都伊勢丹に立ち寄って、お目当てのお弁当を買い込んでおきました。デパ地下ならではの豪華なラインナップに目移りしましたが、直感で「これだ!」と選んだ一品をいよいよ開封します。
揺れる列車の座席で包み紙を解く瞬間は、何度経験してもワクワクするものです。丁寧に盛り付けられた京の味覚を一口ずつ味わいながら、流れる景色を眺める時間はまさに至福。これぞ鉄道旅の醍醐味といった、贅沢なランチタイムの始まりです。

私は東洋亭というところのハンバーグをいただきました。
京都駅から揺られること約1時間半、列車は接続地点である福知山駅に到着しました。ここで長年お世話になった「特急はしだて」を一旦降り、天橋立へと向かう京都丹後鉄道(丹鉄)へと乗り換えます。

次に乗り込むのは、名前からして旅情をそそる「特急たんごリレー」。実はこの区間の切符を事前に用意していなかったのですが、それも旅の醍醐味です。ホームを降りてから改札付近の券売機へと向かい、現金でポチッとチケットを購入。デジタルな予約も便利ですが、こうして手元に残る紙の切符を手に取ると、いよいよ丹後地方の懐へと入り込んでいくような実感が湧いてきました。
券売機で無事にチケットを手にし、ホームへ。今回は直前に駅で乗車券を購入したため自由席を利用しましたが、これが意外にも大正解でした。車内に足を踏み入れると、むしろ指定席よりもゆとりがあるような、ゆったりとした空気が流れていたのです。

旅慣れない場所では「満席だったらどうしよう」と不安になり、ついつい指定席を予約したくなるものですが、今回はあえて予約なしのスタイルを選択。もし満席だったとしても「後続の普通電車でのんびり行けばいいや」という気楽な構えでいたのが功を奏したようです。結果として、混雑に巻き込まれることもなく、リラックスして天橋立へのラストスパートを楽しむことができました。
天橋立駅に到着。文殊荘で蟹を堪能

天橋立駅に到着です。
天橋立駅に降り立ち、まずは身軽になって散策を楽しむため、本日お世話になる宿「文殊荘」へと向かいました。駅からは目と鼻の先で、歩いてわずか5分ほど。重い荷物を抱えての移動だったので、このアクセスの良さは本当にありがたかったです。

今回は3連休の中日ということもあり、奮発してカニ料理を堪能できるプランをセレクト。2人で合計10万円ほどという贅沢な価格帯でしたが、一年に一度のご褒美旅なら、これくらいの特別感があってもいいですよね。チェックインを済ませ、夜に待っている極上のカニ三昧に胸を膨らませながら、いざ天橋立の絶景の中へと繰り出します。
天橋立付近を散策
宿に荷物を預け、最初に向かったのは「三人寄れば文殊の知恵」で知られる智恩寺(文殊堂)です。駅から徒歩1分という驚きの近さなので、到着してすぐに立ち寄れるのがこのエリアの魅力ですね。

ただ、この日は3連休の真っ只中。境内は多くの参拝客で賑わっており、観光地らしい熱気に包まれていました。特に驚いたのが周辺の交通状況です。付近の有料駐車場はどこも満車状態で、駐車場を探して低速で走る車が目立ちました。車でのアクセスを考えている方は、連休などの混雑期にはかなりの覚悟が必要かもしれません。私たちは電車移動だったので、渋滞や駐車待ちのストレスなくスムーズに観光をスタートすることができ、結果的に大正解でした。

智恩寺(文殊堂)の参拝を終えたら、外せないのが門前に軒を連ねる「四軒茶屋」でのひとときです。ここでは「三人寄れば文殊の知恵」の言葉にあやかった、天橋立の名物「知恵の餅」を味わうことができます。

吉野茶屋・彦兵衛茶屋・勘七茶屋・ちとせ茶屋という四つの老舗が並んでおり、どこに入ろうか迷ってしまうほど。どのお店も歴史を感じさせる趣があり、参道に漂う甘い香りに誘われてついつい足が止まります。
私たちはその中の一軒に腰を下ろし、さっそくお餅をいただきました。小ぶりで食べやすいお餅の上に、こぼれんばかりに盛り付けられたたっぷりのあんこ。一口食べれば、ほどよい甘さと柔らかな食感が口いっぱいに広がり、歩き疲れた体に優しく染み渡ります。「これを食べれば知恵が授かるかも?」なんて会話を楽しみながら、江戸時代から続く伝統の味を存分に堪能しました。

天橋立といえば、約3.6km続く松並木の中をのんびり徒歩で散策したり、レンタル自転車で風を切って駆け抜けたりするのも定番の楽しみ方です。ですが、今回は少し視点を変えて、観光船に乗って海の上から対岸へと渡るルートを選びました。


天橋立の海を滑るように進む観光船、その気になる運賃は片道800円でした。この金額で日本三景を海の上から独り占めできると思えば、なかなかのコストパフォーマンスです。
対岸に着いた後の戻り道については、「行きは船、帰りはレンタサイクル」というセットプランも検討していました。しかし、さすがは3連休。いざ自転車を借りようとしたところ、残念ながらすべて出払ってしまっている状態でした。一瞬悩みましたが、「それならいっそ、自分の足で天橋立を渡りきってみよう!」と決意。約3.6kmの松並木を、潮風を感じながらのんびりと歩いて帰ることにしました。
観光船に乗る前のちょっとした楽しみとして、ぜひおすすめしたいのが「かもめのエサやり」です。乗り場の近くでは、かもめのエサ(かっぱえびせん)が1袋100円でお手頃に販売されていました。

乗るクルーズ船が見えました。

このエサを手に船に乗り込むと、出航前から鋭い目つきのかもめたちが「準備はいいか?」と言わんばかりに集まってきます。100円というワンコインで、これほどまでに鳥たちと間近に触れ合えるアトラクションはなかなかありません。船が動き出すと同時に一斉に飛び立ち、並走するように追いかけてくるかもめたちの姿は迫力満点!大人もついつい夢中になってしまう、クルーズ船ならではの最高のアクティビティでした。

船が桟橋を離れ、エンジン音が響き始めると同時に、驚きの光景が広がります。先ほど100円で購入したおやつ(かっぱえびせん)を目当てに、かもめや大きなワシたちが一斉に船を追って飛んでくるのです! その数は想像以上で、まさに「群がる」という言葉がぴったりの大迫力でした。
大きな翼を広げて至近距離まで迫ってくる鳥たちの姿は、正直なところかなりの威圧感があります。私はその迫力に圧倒されてしまい、手から直接あげる勇気は出ず……(笑)。少し離れた空中に向かって**「えいっ!」とおやつを投げ飛ばして**あげていたのですが、彼らが空中で見事にキャッチする様子は実に見事で、怖いながらも非常に楽しめました。
ふと周りを見渡すと、あまりの鳥たちの勢いに「こわい〜!」と泣き出してしまう小さなお子さんの姿も。大人でも思わず身をすくめてしまうほどのライブ感ですから、子供たちにとってはちょっとしたパニックかもしれませんね。スリルと興奮が入り混じる、このクルーズならではの忘れられない体験となりました。

対岸に着くとこちらも神社がありました。

歴史ある元伊勢籠神社の参拝を終えてさらに奥へと進むと、いよいよ天橋立を高い場所から見下ろすための玄関口、「府中駅」が見えてきました。ここは傘松公園へと続くケーブルカーとリフトの乗り場になっています。
地上からの景色も十分美しいのですが、やはり「日本三景」を語るなら山の上からの展望は欠かせません。府中駅の駅舎に一歩足を踏み入れると、これから始まる空中散歩への期待感で胸が高鳴ります。ここから乗り物に揺られて一気に標高を上げれば、そこには教科書やガイドブックで何度も目にした「あの絶景」が待っているはずです。

上に着くと綺麗な天橋立をみることができました。晴れていてよかったです。



山の上からの絶景を存分に堪能した後は、開放感たっぷりのリフトに揺られて下山することにしました。足元に広がる天橋立の全景を眺めながら、ゆっくりと地上へ降りていく時間は、まさに空中散歩をしているような心地よさです。
天橋立を歩いて渡る
府中駅まで戻ってきたら、いよいよここからは自分の足で「天橋立」を歩いて渡る**復路のスタートです。行きは船であっという間に対岸まで来ましたが、帰りは約3.6km続く松並木の中を、一歩一歩踏みしめながら進んでいきます。
両脇を海に囲まれた不思議な砂洲(さす)の道。何千本もの松が作り出す天然のトンネルを通り抜けるのは、歩いて渡る人だけが味わえる贅沢な体験です。「これから1時間弱のウォーキング、頑張るぞ!」と気合を入れ直し、潮風を頬に感じながら松並木へと足を踏み入れました。

途中である天橋立神社。

北側の府中地区から天橋立の松並木をのんびりと歩き進め、ようやく対岸の文殊エリアが見えてきたころ、一際目を引くお店を見つけました。
そこは、天橋立の名物として知られる「あさり丼」が評判のお食事処。香ばしい出汁の香りがふわりと漂ってきて、ウォーキングでほどよくお腹が空いた身にはたまらない誘惑です。

「今日はこの後、宿での豪華なカニ料理が待っているけれど……」と思いつつも、地元の名物と聞けば素通りはできません。看板に踊る「あさりたっぷり」の文字に後ろ髪を引かれながら、「よし、これは明日のお楽しみにしよう」と心に決めました。旅先で「次に来る理由」を見つけるのも、また一つの楽しみですよね。明日のランチプランが早くも確定し、足取りもさらに軽くなりました。
文殊荘でゆっくりくつろぐ
心地よい疲れを感じながら、本日のお宿である「文殊荘」へと戻り、無事にチェックインを済ませました。和の趣あふれる空間に迎えられ、ようやく腰を落ち着けると「あぁ、旅に来たんだな」という実感が改めて湧いてきます。
すると、嬉しいことにお出迎えのお菓子として、またしても天橋立名物の「知恵の餅」をいただきました!先ほど門前の茶屋でいただいたばかりではありましたが、お宿の落ち着いた空間で、お茶と一緒にいただくお餅はまた格別な味わいです。
「何度食べても美味しいし、これでさらに知恵が授かるかも?」なんて冗談を言い合いながら、甘いあんこと柔らかなお餅を堪能。散策で歩き回った体に、この優しい甘さが最高のご褒美になりました。おもてなしの心に触れて、夜のメインイベントであるカニ料理に向けて、期待はさらに高まるばかりです。

今回宿泊するお部屋です。

案内されたお部屋に入り、まず何よりも目を奪われたのが、大きな窓の向こうに広がる素晴らしい眺望でした。そこには、天橋立の松並木と文殊の市街地を隔てる美しい運河が、すぐ目の前をゆったりと流れる景色が広がっていたのです。
窓辺に腰を下ろして外を眺めていると、時折、観光船が白波を立てながら静かに運河を通り過ぎていきます。水面に反射する陽光と、揺れる水面を眺めているだけで、先ほどまでの散策の疲れがスーッと引いていくような、穏やかな時間が流れます。この「運河を特等席から


メインイベントのカニを食べまくる
いよいよ、今回の旅のメインイベントである夕食の時間です。今回はこのために奮発して**「カニプラン」**を申し込んでいたので、テーブルに並ぶ料理の数々を前に、期待は最高潮に達しました。
お膳が運ばれてくると、そこには文字通り「これでもか!」というほどのカニ、カニ、カニ……。 繊細な甘みが口の中でとろけるお刺身をはじめ、香ばしさが食欲をそそる焼きガニ、さらには旨味が凝縮されたカニ鍋など、まさにカニのフルコースです。
「今日はもう、これ以上ないほどカニを堪能し尽くそう」と心に決め、無言で殻と格闘しながらも、その至福の味わいに思わず顔が綻びます。2人で10万円という贅沢なプランでしたが、その価値を一口ごとに実感できるような、圧倒的なボリュームと鮮度。北近畿の冬の味覚をこれぞとばかりに味わい尽くす、最高に贅沢な夜となりました。







至福のカニ尽くしの締めくくりは、お口直しのデザート。甘いものは別腹……と言いたいところでしたが、その前の段階ですでにお腹はパンパンの状態でした。

というのも、カニの旨味がたっぷりと溶け出した最後のご馳走、カニ雑炊があまりに美味しくて。連れがお腹いっぱいなのをいいことに、結局私がほとんど一人で平らげてしまったのです(笑)。最後の一口を飲み込んだときには、まさに「お腹がはち切れそう」という言葉がぴったりなほどの満腹感に包まれ、大満足で夕食を終えました。
食後はお部屋で少し横になって、膨らんだお腹を休ませるリラックスタイム。お腹が落ち着いたところで、夜の大浴場へと向かいました。広々とした湯船に肩まで浸かると、カニを求めて格闘した指先の疲れも、天橋立を歩き抜いた足の疲れも、心地よい温度の中に溶けていくようです。心身ともに芯から温まり、ポカポカの状態のままふかふかの布団へ。明日の旅に備えて、深い眠りにつきました。

